特別支援学級や特別支援学校への就学を検討するとき、あわせて知っておきたいのが「特別支援教育就学奨励費」です。名前がよく似た「就学援助制度」との違いも整理します。
この記事の所得区分の例は東京都のものです。区分の基準・支給費目の詳細は自治体によって異なるため、正確な内容は在籍校または教育委員会でご確認ください。
特別支援教育就学奨励費とは
特別支援教育就学奨励費とは、特別支援学校や小・中学校の特別支援学級等に就学する児童生徒の保護者の経済的負担を軽減するため、国と地方公共団体が支援する制度です(文部科学省)。保護者の経済的な負担能力に応じて、通学費や学用品費などの一部または全部を補助します。
就学援助制度との違い
もっとも大きな違いは、対象となる根拠です。
| 特別支援教育就学奨励費 | 就学援助制度 | |
|---|---|---|
| 対象の根拠 | 特別支援学校・特別支援学級への就学、または一定の障害の程度 | 世帯の所得(要保護・準要保護) |
| 対象範囲 | 特別支援学校・特別支援学級の児童生徒等 | 小中学校の全児童生徒 |
| 所得による支給割合の変動 | あり(全額〜対象外まで段階的) | 制度上は「対象か対象外か」 |
**特別支援学級に在籍していれば、所得水準にかかわらず何らかの支給を受けられる場合があります。**一方、通常学級に在籍しながら通級指導教室を利用している場合は、対象となる費目が「通学費」のみに限られることが多い点に注意が必要です。詳しくは通級指導教室を利用した保護者の体験談もご覧ください。
支給される費目の例
自治体によって差がありますが、一般的に次のような費目が対象になります。
- 通学費
- 学用品費
- 給食費
- 教科書費
- 修学旅行費
- 寄宿舎に関する費用(日用品費、寝具費、帰省費)
- 新入学児童生徒学用品費(ランドセル・制服等を含む場合あり)
所得区分の例(東京都の場合)
自治体によって基準は異なりますが、東京都の例では、生活保護基準に対する倍率で3段階に分けられています。生活保護制度そのものについては生活保護とは?で解説しています。
| 区分 | 目安(生活保護基準との比較) | 補助の程度 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 1.5倍未満 | 全額補助 |
| 第2段階 | 1.5〜2.5倍 | 半額補助 |
| 第3段階 | 2.5倍以上 | 原則補助なし(一部費目は全額支給の場合あり) |
**この区分・倍率は自治体ごとに異なります。**お住まいの自治体の基準は、教育委員会や在籍校に確認してください。
申請方法
多くの場合、在籍する学校を通じて申請します。年度初めに案内があることが一般的で、電子申請に対応している自治体も増えています。支給は年2〜3回、口座振込で行われることが多いです。
よくある質問
Q. 就学援助制度と特別支援教育就学奨励費は両方受けられますか?
原則として、特別支援学級・特別支援学校に在籍する児童生徒は特別支援教育就学奨励費の対象となり、通常学級の就学援助制度とは別の枠組みで支援を受けます。詳しい取り扱いは自治体によって異なるため、窓口で確認することをおすすめします。
Q. 通級指導教室を利用していますが、対象になりますか?
学校教育法施行令に定める一定の障害の程度に該当しない場合、通級指導教室の利用のみでは、通学費以外の費目は対象外となることが多いです。詳細は在籍校に確認してください。
Q. 申請を忘れてしまいました。年度の途中からでも申請できますか?
多くの自治体で年度途中からの申請も可能ですが、支給対象となる期間が申請時期によって変わることがあります。気づいた時点で早めに在籍校に相談することをおすすめします。
相談先
- 特別支援学級の解説は特別支援学級とは?
- 通級指導教室の体験は通級指導教室を利用した保護者の体験談
- 一般的な就学援助制度は就学援助制度とは?
- 経済的な支援全般は不登校とお金・経済的支援まとめ
- お住まいの自治体の窓口は自治体から相談先を探す