特別支援学級特別支援教育通級指導教室

特別支援学級とは?対象となる障害種・学級の人数・通級指導教室との違いを解説

特別支援学級は、小・中学校に設置される少人数の学級です。対象となる8つの障害種、1学級あたりの標準人数(8人)、通常学級との交流、通級指導教室や学びの多様化学校との違いを公式情報をもとに解説します。

ふとうこうナビ編集部公開 編集方針

発達特性や心身の状態を理由に、通常学級での学びに困難を感じているとき、選択肢の一つになるのが「特別支援学級」です。「通級指導教室」や「学びの多様化学校」など似た名前の制度が多いため、公式情報をもとに整理します。

特別支援学級とは

特別支援学級とは、小・中学校の中に設置される、障害のある児童生徒のための少人数学級です。「障害による学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るため」の特別な指導を行います。在籍する児童生徒は、通常学級とは別の学級に籍を置いたうえで、多くの教科や時間を過ごします。

通級指導教室が「通常学級に在籍したまま、一部の時間だけ個別指導を受ける」仕組みであるのに対し、特別支援学級は「学級そのものを分ける」点が大きな違いです。通級指導教室の体験は通級指導教室を利用した保護者の体験談で扱っています。

対象となる障害種

特別支援学級の対象は、次の8つの障害種です(文部科学省)。

  1. 知的障害
  2. 肢体不自由
  3. 病弱・身体虚弱
  4. 弱視
  5. 難聴
  6. 言語障害
  7. 自閉症
  8. 情緒障害

このうち、自閉症と情緒障害は、多くの学校で「自閉症・情緒障害特別支援学級」として一つの学級にまとめて設置されています。

1学級あたりの人数

公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により、特別支援学級の1学級あたりの児童生徒数は標準8人と定められています。実際には、地域や学校によって差はあるものの、平均するとより少人数(3人程度)で編制されていることが多いとされています。通常学級(小学校1・2年生は35人、他学年は原則40人が上限)と比べて、かなり手厚い体制です。

通常学級との交流及び共同学習

特別支援学級に在籍していても、すべての時間を特別支援学級で過ごすわけではありません。国が進める「インクルーシブ教育システム」の理念のもと、可能な範囲で通常学級(この場合「交流学級」「協力学級」と呼ばれることが多い)と一緒に授業や学校行事に参加する「交流及び共同学習」が行われています。どの程度交流するかは、本人の状態や学校の体制によって個別に決められます。

教育課程の柔軟性

特別支援学級では、児童生徒の実態に応じて、通常の教育課程によらない特別な教育課程を編成できます。

  • 障害による学習上・生活上の困難を改善するための「自立活動」を取り入れる
  • 実態に応じて下の学年の教科内容を取り入れる
  • 知的障害特別支援学校の教科内容に替えて指導する

学級単位で教育課程を編成しつつ、児童生徒一人ひとりについて個別の指導計画が作成されるのが一般的です。

他の制度との違い

特別支援学級 通級指導教室 学びの多様化学校
在籍 特別支援学級に籍を置く 通常学級に籍を置いたまま利用 その学校自体に転入学
過ごす時間 多くの時間を特別支援学級で 週数回、一部の時間だけ 通常の登校時間すべて
対象 8つの障害種に該当する子 比較的軽度の障害がある子 主に不登校児童生徒

通級指導教室との違いは通級指導教室を利用した保護者の体験談、学びの多様化学校との違いは学びの多様化学校(不登校特例校)とは?も参考にしてください。発達特性全般については発達特性・グレーゾーンと不登校まとめで体験談を整理しています。

利用するまでの流れ(一般的な例)

  1. 在籍校の担任・特別支援教育コーディネーターに相談する。 学校生活での困りごとを具体的に伝えます。
  2. 教育委員会の就学相談を受ける。 多くの自治体で、発達検査や行動観察を踏まえた「就学相談」の手続きがあります。
  3. 就学支援委員会等での判断を経て、通常学級か特別支援学級かが検討される。 最終的な判断は保護者の意向も踏まえて行われますが、手続きの詳細は自治体によって異なります。

よくある質問

Q. 特別支援学級に一度入ると、通常学級には戻れないのですか?

戻ることは可能です。状態の変化に応じて、特別支援学級から通常学級へ、あるいはその逆へ転籍することができます。ただし、転籍のタイミングは年度単位になることが多く、手続きにも時間がかかるため、早めに担任や教育委員会に相談することをおすすめします。

Q. 診断がないと特別支援学級には入れませんか?

自治体によって運用が異なりますが、医学的な診断に加えて、教育委員会が行う就学相談や行動観察の結果を踏まえて総合的に判断されることが一般的です。診断の有無だけで機械的に決まるわけではありません。まずは在籍校や教育委員会の就学相談窓口に確認することをおすすめします。

Q. 特別支援学級に在籍すると、高校進学に影響しますか?

特別支援学級での在籍歴そのものが進学の選択肢を狭めるわけではありません。本人の状態に合った環境で安定して学べたことが、結果的に高校進学の土台になったという体験談も複数あります。詳しくは発達特性・グレーゾーンと不登校まとめもご覧ください。

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