保護者の悩み体験談まとめ学校とのやりとり出席扱い

不登校中の「学校とのやりとり」まとめ|43本の保護者ブログから見えた共通点

note.comなどで公開されている不登校の子を持つ保護者のブログ43本を読み、学校とのやりとりにまつわる悩みを「欠席連絡」「担任・家庭訪問・プリント」「出席扱い・通知表」「転校・クラス替え」「学校行事」の5つに整理しました。連絡方法の見直しなど、実際に負担が軽くなった工夫も紹介します。

ふとうこうナビ編集部公開 編集方針

子どもが学校に行かなくなっても、学校との関係は終わりません。むしろ毎朝の欠席連絡、家庭訪問、プリントの受け取り、通知表、行事の案内——「行っていないのに、学校とのやりとりだけは続く」ことが、保護者の大きな負担になっています。

この記事では、不登校のお子さんを持つ保護者自身が書いたブログ43本を実際に読み、学校とのやりとりにまつわる悩みを5つの場面に整理しました。文中の内容はいずれも各記事の要約(意訳)であり、原文はリンク先でお読みいただけます。

なお、こども家庭庁によると小中学校の不登校児童生徒数は約35.4万人で過去最多となっており(こども家庭庁 不登校対策)、ここに挙げるやりとりの悩みは決して珍しいものではありません。

学校とのやりとりが発生する5つの場面

今回読んだブログに登場した「学校とのやりとり」を場面ごとに整理すると、次の図のようになります。毎日発生するもの(欠席連絡)から年に数回のもの(行事・通知表)まで、頻度の異なる負担が重なっているのが実態です。

家庭と学校の やりとり 毎日 ① 欠席連絡 朝の電話・連絡帳・アプリ 随時 ② 担任・家庭訪問 面談・プリント・提出物 学期毎 ③ 出席扱い・通知表 評定・テスト・内申 節目 ④ 転校・クラス替え 環境を変える相談 年数回 ⑤ 学校行事 運動会・卒業式・修学旅行

以下、場面ごとに「共通する悩み」と「負担が軽くなった工夫」を見ていきます。

① 毎朝の欠席連絡:「今日も休みます」と言い続ける重さ

もっとも多くのブログに登場したのが、欠席連絡の負担です。

  • 朝の限られた時間帯に電話をかけ続けるプレッシャー。 「7時35分から55分の間に」など時間指定のある電話連絡が、出勤準備と重なって毎朝の緊張の源になっている、という記録が複数ありました。担任が電話に出るかどうかわからない不安も重なります。
  • 「電話しないと」が義務を超えて強迫観念のようになる。 電話をかける前に強い倦怠感に襲われ、スマホを手に取るだけで消耗していた、という切実な記録もあります(毎日の欠席連絡は、ただの苦行だった)。
  • 休むとわかっているのに毎日確認・連絡させられることの苦痛。 連絡のたびに「学校に行っていない」という現実を言語化させられることそのものがつらい、という声は複数のブログに共通していました。
  • 複数の先生への繰り返しの説明。 担任以外からも電話が来て同じ経緯を何度も話さなければならず、「ネガティブなことは何度も言いたくない」と学校に改善を申し入れた保護者もいます(我が家の不登校初期の学校とのやりとり)。

一方で、連絡方法の変更で負担が大きく減ったという経験談も目立ちました。担任からの「朝、連絡しなくてもいいですよ」の一言に救われたという元教員の母親の記録(【不登校】毎朝の欠席連絡がユウツ)、学校と交渉して週1回の報告に変えた記録(欠席連絡したくない気持ちに向き合ってみた)など、保護者が求めているのは連絡の廃止ではなく「方法と頻度の柔軟化」であることがうかがえます。

参考にしたブログ(欠席連絡)

② 担任・家庭訪問・プリント:善意がプレッシャーになるとき

担任の先生との関係については、感謝と負担の両方が率直に綴られていました。

  • 学校の善意の提案を断れない。 家庭訪問・迎え・別室登校などの提案に「ありがとうございます」と応じた途端、子どもがプレッシャーで腹痛や頭痛を起こす——という悪循環を記録した父親のブログがあります。即答せず「保留」で返すことで家庭に主導権を取り戻せた、という工夫が紹介されています(学校の善意がつらい時の断り方)。
  • プリント・教材購入・給食費などの事務的なやりとりが心にこたえる。 たまっていくプリントが「見たくもない紙」に感じられ、判断力まで落ちていったという記録(不登校、貯まったプリントに追い詰められたあの頃)や、学校に足を踏み入れるたびに「不登校児の親」という目を意識してしまうという記録(不登校中の配布物の受け取りは、いつも憂鬱)が複数ありました。
  • 受け取りのたびに謝ってしまう。 「すみません」を繰り返す自分の声を子どもが聞いていたことに気づき、感謝の言葉に切り替えたらプリント受け取りが気楽になった、という変化の記録もあります(学校にプリントをもらいに行くのは、気楽でいい)。
  • 関係が好転した転機は「協働」への切り替え。 いじめ対応への不信から先生に感情をぶつけたくなったものの、「これからどうするか」を一緒に考える姿勢に切り替えたことで関係が修復された記録(先生と初めて「ちゃんと向き合えた日」)や、親からオンライン活用や教材の工夫を提案して協力体制ができた記録(学校の先生との連携どうしてますか?)など、親側から具体的に発信したときに学校が動いたという経験談が複数ありました。
  • 家庭訪問は合う・合わないが分かれる。 週1回の家庭訪問が子どもの変化のきっかけになった家庭もあれば(不登校の息子と私に必要なのは、家庭訪問だった)、子どもが嫌がるため断った家庭もあり、正解は家庭ごとに異なります。

参考にしたブログ(担任・家庭訪問・プリント)

③ 出席扱い・通知表・内申:「斜線」が突きつけるもの

学期末や進路の場面で重くのしかかるのが、評価と出席の問題です。

  • 通知表の「斜線」やオール1のショック。 評価がつかない通知表を受け取るたびに、子どもが「評価に値しない」と言われているように感じてしまう、という保護者の痛みは複数のブログに共通していました(不登校児の通知表について、不登校児の親として思うこと)。
  • 評価の扱いが先生によって大きく変わる。 ある年は全教科斜線だったのに、別の学年では家庭学習の成果を提出したら評価をつけてもらえた——という経験から、制度の運用が担任の判断に左右される現実を指摘する記録があります(「通知表」と不登校)。
  • 「出席扱い」制度を親も学校も知らない。 文部科学省の通知では、一定の要件を満たせば自宅でのICT等を活用した学習活動を指導要録上「出席扱い」にできるとされています(不登校児童生徒への支援の在り方について(令和元年通知))。しかし実際には、出席日数の重要性自体をフリースクール見学で初めて知った、という保護者の記録があり(家庭学習を出席扱い認定してもらった実録)、制度の情報は待っていても届かず、親が調べて学校に持ち込む必要があるというのが共通の実感です。
  • 数字との距離の取り方が変わっていく。 当初は出席日数や内申点に強い不安を抱えていた保護者が、やがて「この子の良さは数字では測れない」という価値観に転換していく過程を綴った記録も複数ありました(「偏差値、内申点」という数字の世界)。

出席扱いの対象になりうる公的な居場所としては教育支援センターがあります。詳しくは教育支援センター(適応指導教室)とは?を、自宅学習の選択肢は不登校中の家庭学習・オンライン学習まとめをご覧ください。制度の具体的な要件は出席扱い制度とは?で整理しています。

参考にしたブログ(出席扱い・通知表)

④ 転校・クラス替え:「環境を変えれば」の期待と現実

環境を変えるという選択をめぐっては、決断した家庭・できなかった家庭の両方の記録がありました。

  • 転校・引っ越しを決断するまでの葛藤。 持ち家、仕事、きょうだいの学校など家庭の事情と子どもの状態がぶつかり、引っ越したくてもできなかった経緯を綴る記録(引っ越したい…けど引っ越せなかったお話し)がある一方、迷い続けていた親の背中を子ども自身の「引っ越したい」という一言が押した、という記録もあります(「引っ越したい」の一言で、わが家は動き出した)。
  • 転校先選びで見ていたのは設備より先生の姿勢。 見学の際、子どもの話を遮らず静かに聞いてくれるかどうかを重視した、という具体的な記録があります(転校先の小学校へ――初めての見学)。
  • クラス替えへの期待は裏切られることもある。 仲良しグループで娘だけ別のクラスになったことが不登校のきっかけになった、と当時を振り返る記録(きっかけは無慈悲なクラス替え)や、学校が「仲の良い子と同じクラス」に配慮してくれたのに、子ども本人はその子を仲が良いと思っていなかった、というすれ違いの記録(実は配慮してもらっていたというクラス替え)もあります。配慮をお願いする前に、子ども本人の認識を確かめることの大切さがうかがえます。
  • 「どこかに通わせたい」は目的か手段か。 不安に駆られて所属先探しがゴールになってしまうことへの自戒を、元教員の母親が綴っています(『どこかに通わせたい』は目的?手段?)。環境を変えることは有力な選択肢ですが、それ自体が解決を保証するわけではない、というのが複数の記録に共通する実感です。

学校以外の居場所づくりについてはフリースクール・居場所の選び方も参考になります。

参考にしたブログ(転校・クラス替え)

⑤ 学校行事:案内が届くたびに揺れる心

運動会・卒業式・修学旅行などの行事は、保護者の心がもっとも揺れる場面として繰り返し登場しました。

  • 行事のたびに親の期待が膨らみ、しぼむ。 「行事なら参加できるかもしれない」という期待を子どもに乗せてしまい、後から「余計なプレッシャーだった」と振り返る記録が複数あります(実は運動会にこだわっていました)。
  • 前日・当日に気持ちが変わる子どもへの戸惑い。 出ると言っていたのに前日に「やっぱり出ない」となる。その揺れにいら立ってしまい、後で「どの気持ちも本当なんだ」と受け止め直した過程を綴る記録があります(不登校になってはじめての運動会)。
  • 「行事だけ参加」への周囲の目。 行事だけ参加する不登校の子に対して同級生から「ずるい」という声が出た経験に触れ、問題は子どもではなく不登校への理解が足りない環境の側にある、と指摘する記録もあります(行事だけ参加することって、ダメ?)。
  • 卒業式は「出る・出ない」以外の形もある。 本人が式を欠席した後、校長室や午後の時間に個別の卒業証書授与をしてもらえた、という配慮の記録が複数ありました(うちの次男の不登校 小6卒業式午後の卒業式)。式典に出るかどうかの二択ではなく、学校に「別の形」を相談できることは、知っておく価値のある選択肢です。

参考にしたブログ(学校行事)

43本のブログから見えた、負担を軽くする3つの共通点

場面はさまざまでも、負担が軽くなった経験談には共通点がありました。

  1. やりとりの「方法と頻度」は交渉できる。 欠席連絡のメール化・週1回化、プリント受け取りの月1回化、家庭訪問の辞退など、学校側の運用は思っているより柔軟に変えられた、という記録が複数ありました。
  2. 即答しない。 学校からの提案に「保留」で返す、配慮をお願いする前に子ども本人の気持ちを確かめる——ワンクッション置くことで、善意のすれ違いを防げたという経験談が目立ちました。
  3. 親側から具体的に発信する。 出席扱いの制度資料を持ち込む、連絡方法の変更を提案する、「これからどうするか」を一緒に考える姿勢を示す。親が動いたときに学校の対応が変わった、という記録が場面を問わず共通していました。

悩み別・相談先の目安

よくある悩み 相談先の目安
欠席連絡の方法・頻度を変えたい 担任、学年主任(連絡方法の変更は多くの学校で前例があります)
出席扱い・評価の相談をしたい 担任→校長(判断権者)、教育支援センター
学校対応への不満・行き違い スクールカウンセラー、教育委員会の教育相談窓口
転校・環境を変える相談 教育委員会(学区・区域外就学の窓口)、フリースクール等
誰に相談すべきか整理したい 不登校の相談先まとめ

具体的な窓口の住所・電話番号は自治体から相談先を探すからご覧ください。

よくある質問

Q. 欠席連絡の方法を変えてほしいと言い出しにくいです。角が立ちませんか?

体験談では、連絡方法の変更(電話→メール、毎日→週1回など)を申し出て断られたという記録はほとんど見られず、多くの学校が柔軟に応じていました。「負担が大きく、続けるのが難しい」と率直に事情を伝えるだけで十分なことが多いようです。まずは担任、難しければ学年主任に相談してみてください。

Q. 出席扱い制度を使いたいのですが、担任も詳しくないようです。どうすればいいですか?

出席扱いの最終判断は校長にあるため、担任が制度に詳しくない場合は学年主任や教頭を通じて校長に確認してもらう方法があります。文部科学省の通知(不登校児童生徒への支援の在り方について)を印刷して持参し、要件を一緒に確認するという工夫も体験談に見られました。教育支援センターの職員が学校との仲介役になってくれることもあります。

Q. 学校の対応に不満がありますが、関係を悪くしたくありません。どう伝えればいいですか?

体験談に共通していたのは、感情をぶつけるのではなく「これからどうするか」を一緒に考える姿勢に切り替えたときに関係が改善した、という点です。不満そのものを飲み込む必要はありませんが、学校側の立場も一定考慮したうえで、具体的な提案(連絡方法の変更など)とセットで伝えると受け止められやすいようです。それでも改善が見られない場合は、教育委員会の教育相談窓口も利用できます。

出典(公的情報)