「もう卒業してしまったから、今さら中学の勉強はできない」——そう思っている方に知っていただきたいのが「夜間中学」です。不登校を経験したお子さんの将来の選択肢としても、保護者自身の学び直しの場としても知っておく価値があります。
夜間中学とは
**夜間中学(中学校夜間学級)とは、公立中学校に置かれる夜間の学級で、義務教育を十分に受けられなかった人が学び直せる場です。**授業料は無償で、週5日、教員免許を持つ公立中学校の教員が指導にあたります(文部科学省)。
誰が通えるのか
夜間中学の対象は、時代とともに広がってきました。
- 義務教育を修了しないまま学齢を超過した人。 何らかの事情で小学校・中学校を卒業していない人が対象です。
- 不登校などで十分な教育を受けられないまま卒業した人(いわゆる「形式卒業者」)。 長期間の不登校などで実質的に十分な学びを得られないまま、学齢を理由に中学校を卒業扱いになった人も、夜間中学で学び直すことができます。
- 外国籍の人。 本国や日本で十分に義務教育を受けられなかった外国籍の人も対象です。
- 現在、中学生の年齢で不登校の状態にある生徒。 一部の夜間中学では、学齢期の不登校生徒の受け入れも進められていますが、受け入れの可否や条件は学校・自治体によって差があります。在籍校や教育委員会に個別の相談が必要です。
年齢の上限はなく、実際には10代から高齢の方まで幅広い年代の生徒が通っています。
設置状況
夜間中学は全国的にはまだ数が限られています。文部科学省は、各都道府県・政令指定都市に少なくとも1校の設置を目指して促進を進めていますが、お住まいの地域に無い場合もあります。最新の設置校の一覧・連絡先は文部科学省のページで確認できます(文部科学省 夜間中学で学びたい方へ)。
教育機会確保法との関係
夜間中学の設置促進は、教育機会確保法(平成28年制定)を法的な後押しとして進められています。同法は、不登校児童生徒だけでなく、義務教育を十分に受けられなかった人全般への教育機会の確保を基本理念としており、夜間中学の位置づけを支える根拠になっています。
よくある質問
Q. 中学校を卒業しているのですが、それでも夜間中学に通えますか?
はい、通えます。不登校などで十分な学びを得られないまま学齢により卒業扱いとなった「形式卒業者」も、夜間中学での学び直しの対象として広く認められています。ただし受け入れ方針は学校によって差があるため、興味のある夜間中学に直接問い合わせることをおすすめします。
Q. 今、中学生の子どもが不登校です。夜間中学に通わせることはできますか?
学校・自治体によって対応が異なり、すべての夜間中学が学齢期の不登校生徒を受け入れているわけではありません。まずは在籍校や教育委員会に相談し、お住まいの地域の夜間中学がどのような受け入れ体制を取っているか確認することをおすすめします。
Q. 夜間中学に通うと、費用はどれくらいかかりますか?
公立中学校の夜間学級のため、授業料は無償です。教材費など実費相当の負担が発生する場合があります。
相談先
- 夜間中学の背景にある法律は教育機会確保法とは?
- 学齢期のお子さんの学びの場については教育支援センター(適応指導教室)とは?、学びの多様化学校(不登校特例校)とは?
- 相談先の全体像は不登校の相談先まとめ
- お住まいの自治体の窓口は自治体から相談先を探す