このサイトの体験談や解説記事のなかで、最も多く登場する相談先のひとつが「スクールカウンセラー(SC)」です。しかし、どんな資格を持つ人が、どんな立場で、どこまでのことをしてくれるのかは、意外と知られていません。
スクールカウンセラーとは
**スクールカウンセラーとは、児童生徒の心理に関する専門的な知識・経験をもとに、学校での相談・助言、教職員へのコンサルテーション、保護者や関係機関との連携などを行う、学校に配置される心理の専門職です。**法令上は、学校教育法施行規則第65条の3に「小学校における児童の心理に関する支援に従事する」と規定され、中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校にも準用されます。
文部科学省は「スクールカウンセラー等活用事業」として、全国の公立小中学校(約27,500校)へのSC配置を進めています(文部科学省)。いじめ・不登校対応を重点とする学校には、より手厚く配置される仕組みもあります。
どんな資格を持つ人がなるのか
SCになるための代表的な資格要件は次のとおりです。
- 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士
- 公認心理師(国家資格。2018年4月の制度改正で資格要件に追加)
- 児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識・経験を持ち、大学で心理学系の教授・准教授等の職にある(あった)者
ある調査では、SCの87.0%が公認心理師、74.5%が臨床心理士の資格を持っているとされ、両方の資格を併せ持つ人も多くいます。
実際の勤務形態
多くのSCは非常勤で、週1回程度、1日数時間だけ学校に勤務する形態が一般的です。「週1回」「月2〜3回」という勤務形態が全体の約9割を占めるとされ、毎日学校にいるわけではありません。そのため、相談したいときにすぐ会えるとは限らないという制約があります。
**児童生徒・保護者がSCに相談する場合、費用はかかりません。**学校を通じて予約する仕組みが一般的です。
SCの主な業務
- 児童生徒への相談・助言
- 教職員へのコンサルテーション(対応方法の相談・助言)
- 教育相談や児童生徒理解に関する校内研修
- 相談内容についての心理的な見立てと対応方針の提案
- 保護者や、医療機関・児童相談所など外部の関係機関との連携
不登校の相談では、本人の状態の見立てだけでなく、担任や学校側への働きかけを間に立って行ってもらえる点も大きな役割です。学校とのやりとり全般については学校とのやりとりまとめ、外部機関との連携という点ではスクールソーシャルワーカーとの役割分担がスクールソーシャルワーカーとは?で解説されています。
相談するときのポイント
- 担任経由で予約するのが基本。 SCは非常勤で勤務日が限られているため、事前予約が必要な学校がほとんどです。
- 秘密は原則守られます。 ただし、生命に関わる緊急性が高いと判断された場合など、本人の同意なく関係者に共有されることもあります。心配な場合は、最初に「どこまで学校に伝わるのか」を確認しておくと安心です。
- 合わないと感じたら変更を相談してよい。 SCとの相性が合わないと感じる場合、担任や教頭を通じて他の相談先(教育支援センター等)を紹介してもらうことも可能です。
よくある質問
Q. スクールカウンセラーへの相談は無料ですか?
学校を通じた相談は無料です。SCの人件費は自治体・文部科学省の事業予算でまかなわれています。
Q. 毎日学校にいるわけではないと聞きました。緊急のときはどうすればいいですか?
多くのSCは週1回程度の非常勤勤務です。緊急性が高い場合は、担任・教頭など常勤の教職員にまず相談するか、24時間子供SOSダイヤルなどのSOS相談ダイヤルの利用も検討してください。
Q. スクールソーシャルワーカーとは何が違いますか?
SCが心理面の相談・支援を専門とするのに対し、スクールソーシャルワーカー(SSW)は福祉的な視点から、家庭環境の調整や外部の福祉機関との連携を専門とします。学校によっては両方が配置され、役割分担して対応することもあります。
相談先
- スクールソーシャルワーカーとの違いはスクールソーシャルワーカーとは?
- 教育支援センターについては教育支援センター(適応指導教室)とは?
- 学校とのやりとり全般は学校とのやりとりまとめ
- 緊急時の相談ダイヤルは子ども・保護者のためのSOS相談ダイヤルまとめ
- お住まいの自治体の窓口は自治体から相談先を探す