「児童相談所(児相)」と聞くと、虐待の通報先というイメージを持つ方が多いと思います。実は虐待以外にも、不登校や家庭内での子育ての悩みも正式な相談対象です。「うちは虐待じゃないから関係ない」と思って選択肢から外してしまうのはもったいないので、公式情報をもとに整理します。
児童相談所とは
児童相談所は、都道府県・政令指定都市等が設置する児童福祉の専門機関です。児童福祉司・児童心理司・医師・保健師など、福祉・心理・医療の専門職が配置されており、子どもに関するさまざまな相談に対応しています(厚生労働省)。
相談の種類:不登校は「育成相談」の対象
児童相談所が扱う相談は、大きく次のように分類されます。
- 養護相談:保護者の家出・死亡・離婚・入院、虐待など、家庭での養育が難しい状況に関する相談
- 障害相談:発達障害・知的障害など、障害に関する相談
- 非行相談:家出、浪費、乱暴など、問題行動に関する相談
- 育成相談:性格や行動、しつけ、適性、不登校、家庭内暴力、生活習慣の著しい乱れ、学業不振、その他家庭内での子育ての悩みに関する相談
このうち、不登校は「育成相談」に明確に位置づけられています。虐待の疑いがなくても、「不登校の対応に行き詰まっている」というだけで相談していい窓口だということです。
一時保護される心配はあるのか
「相談すると子どもを連れて行かれるのでは」と不安に思う方もいますが、一時保護は「子どもを保護者から分離する必要性が認められた場合」に限って行われる措置で、目的は子どもの安全を守ることです。育成相談として不登校の悩みを相談したからといって、直ちに一時保護に至るわけではありません。
「189」と一般相談の電話番号は別
児童相談所に関する電話番号として広く知られているのが「189(いちはやく)」ですが、これは正式には**「児童相談所虐待対応ダイヤル」**であり、虐待の疑いがある場合の通告・相談に特化した窓口です(通話無料)(こども家庭庁)。
不登校や子育ての悩みなど、虐待以外の一般的な相談をしたい場合は、**児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783(いちはやくおなやみを)」**が用意されています。どちらにかけても、居住地域を管轄する児童相談所につながる仕組みです。
教育支援センター・スクールソーシャルワーカーとの違い
不登校の相談先には教育委員会系の窓口(教育支援センター、スクールソーシャルワーカーなど)もあります。児童相談所は、家庭環境の問題(虐待の疑い、家庭内暴力、非行など)が絡んでいたり、家庭全体への福祉的な支援が必要な場合に特に強みを発揮します。学校を通じた相談で行き詰まった場合や、家庭内の状況が深刻な場合の選択肢として知っておくとよいでしょう。相談先全体の使い分けは不登校の相談先まとめで整理しています。
よくある質問
Q. 不登校だけで、虐待などの深刻な事情がなくても相談していいのですか?
はい、問題ありません。不登校は児童相談所の「育成相談」に明確に位置づけられており、虐待の有無にかかわらず相談できます。
Q. 児童相談所に相談すると、学校や周囲に知られてしまいますか?
相談内容は守秘義務のもとで扱われます。学校との連携が必要な場合は、通常、保護者の了承を得たうえで進められます。詳しい取り扱いについては、相談時に直接確認することをおすすめします。
Q. 児童相談所と教育相談所(教育センター)は同じものですか?
異なる機関です。教育相談所(教育センター)は教育委員会が設置する相談機関で、主に学校生活や学習に関する相談を扱います。児童相談所は都道府県等が設置する福祉の専門機関で、家庭全体の福祉的な支援を含めて対応します。どちらに相談すべきか迷う場合は、まず在籍校や自治体から相談先を探すで確認することもできます。
相談先
- 相談先の全体像は不登校の相談先まとめ
- 家庭内での暴言・荒れへの対応は不登校の子の暴言・家庭内での荒れとの向き合い方
- お住まいの自治体の窓口は自治体から相談先を探す