不登校の対応は、母親一人に負担が集中しがちです。そして「早く学校に戻すべき」と考える父親と、「まず休ませたい」と考える母親のあいだで意見が割れ、それが家庭の大きなストレスになる——という話は、保護者ブログに繰り返し登場します。
この記事では、父親の関わりや夫婦の連携についての保護者ブログを読み、共通する悩みと歩み寄りのきっかけを整理しました。内容はいずれも各ブログの要約(意訳)です。
なお、こども家庭庁によると令和6年度の小中学校の不登校児童生徒数は約35.4万人で、12年連続の増加・過去最多です(こども家庭庁)。
夫婦で方針が割れる
もっとも多く語られるのが、父母で「学校」への向き合い方が違うという悩みです。
- 子どもの気持ちを優先したい母と、学校での経験を重んじる父が対立し、深夜まで何度も話し合った、という記録があります(不登校で夫婦の意見が割れた①)。
- 「無理に行かせたくない」母と「それでも行かせるべき」父の対立が、離婚寸前まで揉める事態に至った、という切実な記録もありました(不登校で夫婦の意見が割れたとき、私たちがしたこと)。
父親が「見えていない」構造がある
父親自身が書いたブログには、父親が理解できないのは無関心だからではないという気づきがありました。
- 朝の対応に関われない勤務形態のため、父親は子どもの苦しむ「現場」を見る機会が少なく、つい問題解決モードで接してしまう、と自己分析する父親の記録があります(父親が子どもの不登校に不理解な場合の処方案)。
- 父親の否定的な態度が子どもの自己評価を傷つけていた家庭では、単身赴任という物理的な距離が結果的に家族全体を楽にした、という記録もありました(不登校 〜父親との関係、そして単身赴任〜)。
歩み寄りのきっかけ
対立から歩み寄れた家庭には、共通のきっかけがありました。
- 父親が「現場」を見た。 子どもが泣きながら登校を嫌がる場面に父親が付き添ったことで、認識が大きく変わった、という記録があります(夫婦の意見が割れたとき、私たちがしたこと)。
- 客観的なデータ・専門家の説明が効いた。 発達検査の結果や臨床心理士の説明が、感情的な訴えよりも父親の納得につながった、という声が複数ありました。
- 働き方を変えた。 母親がパートから柔軟な勤務に変え、「収入減」への不安を越えて「心のゆとり」を得た、という記録もあります(働き方を変える勇気)。
夫婦の温度差そのものの悩みは親のリアルな悩みまとめでも取り上げています。
夫婦で足並みをそろえるための工夫
体験談から読み取れる、対立を減らすための具体的な方法です。
- 感情的な訴えより「専門家の言葉」を使う。 「私はこう思う」ではなく、「スクールカウンセラーはこう言っていた」と第三者の見解を挟むことで、話し合いが対立になりにくくなります。
- 「現場」を一度でも共有する。 朝の登校しぶりの様子や、学校での面談に父親も同席するなど、実際の場面を共有することが、認識のズレを埋める最も効果的な方法として体験談に繰り返し登場します。
- 役割を分担する。 「学校対応は母親、平日の送迎は父親」のように、負担を可視化して分担すること自体が、夫婦の連携を実感する機会になります。
- 子どもの前で対立しない。 方針が違っても、子どもの前では一致した対応を見せる、という工夫が複数の家庭で語られていました。意見のすり合わせは子どものいない場で行うのがポイントです。
よくある質問
Q. 父親が「甘やかしすぎ」と繰り返し、話し合いになりません。
体験談では、感情的な言い合いより、発達検査の結果やスクールカウンセラーの説明など客観的な材料を見せることで、父親側の見方が変わったケースが複数ありました。学校や相談機関に「父親にも同席して説明してほしい」と依頼するのも一つの方法です。
Q. 父親が仕事で忙しく、話し合う時間すら取れません。
短時間でも「今日あったこと」を共有するだけで十分という声もあります。すべてを一度に解決しようとせず、まず現状を知ってもらうことから始める家庭が多いようです。
参考にしたブログ(保護者の体験)
- 不登校で夫婦の意見が割れた①一番つらかった時期
- 不登校で夫婦の意見が割れたとき、私たちがしたこと
- 父親が子どもの不登校に不理解な場合の処方案。
- 不登校 〜父親との関係、そして単身赴任〜
- 【不登校の親】働き方を変える勇気
一人で抱えないために
夫婦だけで抱え込まず、第三者に入ってもらうことも助けになります。スクールソーシャルワーカーや教育相談窓口は、家庭環境や家族間の調整も相談の対象です。
- 相談先の全体像は不登校の相談先まとめ
- お住まいの自治体の窓口は自治体から相談先を探す