起立性調節障害OD自律神経

起立性調節障害とは?症状・サブタイプ・不登校との関係を医学的に解説

起立性調節障害(OD)は、思春期に多い自律神経の不調です。11の身体症状、新起立試験によるサブタイプの分類、不登校の3〜4割に併存するとされる関係、非薬物療法・薬物療法の考え方を、日本小児心身医学会の情報をもとに解説します。

ふとうこうナビ編集部公開 編集方針

「朝は起きられないのに、夕方には元気になる」——このサイトの体験談まとめでも多くの保護者が語る現象の背景に、起立性調節障害(OD)という医学的な状態があることがあります。ここでは、体験談ではなく医学的な情報として、日本小児心身医学会の公開情報をもとに整理します。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療の判断は医療機関にご相談ください。

起立性調節障害とは

起立性調節障害(OD: Orthostatic Dysregulation)とは、立ち上がったときに血圧や心拍数を調整する自律神経の働きがうまく機能せず、めまいや倦怠感などの症状が生じる状態です(一般社団法人 小児心身医学会)。思春期に発症しやすく、午前中に症状が強く出やすいため、学校生活に支障をきたすことがあります。

主な身体症状

日本小児心身医学会のガイドラインでは、次のような身体症状が挙げられています。

  • 立ちくらみ・めまい
  • 朝の起床困難
  • 頭痛
  • 倦怠感(だるさ)
  • 動悸
  • 腹痛
  • 食欲不振
  • 顔色が悪い
  • 車酔いしやすい
  • 失神(意識を失う)
  • 午前中に調子が悪く、午後に回復する

これらの症状が複数あり、他の病気が除外され、「新起立試験」と呼ばれる検査で確認されることで診断されます。

サブタイプ(症状のタイプ)

新起立試験の結果により、次のようなサブタイプに分類されます。

  • 起立直後性低血圧(INOH)
  • 体位性頻脈症候群(POTS)
  • 血管迷走神経性失神(VVS)
  • 遷延性起立性低血圧(DeOH)

タイプによって症状の出方や対応が異なるため、診断の際に医師から説明を受けることになります。

不登校との関係

日本小児心身医学会の情報によると、不登校の約3〜4割にODが併存するとされています。この数字が示すとおり、「怠けている」「気持ちの問題」と誤解されやすい朝の不調の背後に、身体的な要因が隠れているケースは少なくありません。重症例では、社会復帰までに2〜3年以上かかることもあるとされ、家族だけでなく学校側の理解も重要になります。

保護者の体験談は「朝だけ起きられない」は甘えなのか|起立性調節障害と不登校の体験まとめで紹介しています。

治療の考え方

治療は、まず日常生活でできる工夫(非薬物療法)から始めるのが基本とされています。

  • 起立時は頭を下げてゆっくり立ち上がる
  • 水分を1日1.5〜2リットル程度とる
  • 塩分を普段より多め(目安3g程度)にとる
  • 毎日30分程度の歩行など、軽い運動を続ける

こうした生活面の工夫だけでは十分でない場合に、医師の判断で薬物療法が検討されます。自己判断で市販薬や民間療法に頼らず、まず小児科や自律神経の専門外来を受診することが基本です。

よくある質問

Q. 起立性調節障害は何科を受診すればいいですか?

まずは小児科(思春期以降は必要に応じて内科)が窓口になります。診断のための新起立試験は多くの小児科で実施可能ですが、症状が重い場合や診断がはっきりしない場合は、自律神経を専門とする医療機関を紹介されることもあります。

Q. 「怠けているだけ」と言われますが、本当に病気なのでしょうか?

日本小児心身医学会の診断基準に基づく、れっきとした身体的な状態です。本人の意志や気持ちの問題ではなく、自律神経の調節機能の不調によるものとされています。周囲の理解のためにも、医療機関を受診し診断を受けることが助けになります。

Q. 治療すればすぐに治りますか?

軽症であれば数ヶ月で改善することもありますが、重症例では社会復帰まで2〜3年以上かかることもあるとされています。焦らず、非薬物療法を中心に長期的な視点で向き合うことが大切です。

相談先

出典